世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1




「本当に警察に連絡しなくていいんですか?」
「あの人が、してほしくないと言うので。とにかくその人、金輪際関わらないようにさせてください」
「はい。もう明日にでも実家に返しますので。二度と顔を見せないと誓います。被害に遭われた方にも、申し訳ないと伝えてください」



 店長はそう言うと、弟と共に去っていった。


 正直、あかりの判断は甘いと思う。例え家族に心配を掛けても伝えるべきなのに、それをしないなんて。自分を大切にしなさすぎる。


 総一郎は壁に寄り掛かり、天井を見上げた。


 あかりのことを誰にも傷付けさせたくない、泣かせたくない。



「──あかりのこと、俺が守る」


 

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