もふもふになっちゃった私ののんびり生活 ~番外編
そう、家に着いた当初は実は自分の抜け毛に心配していたのだ。掃除をするのは大変だろうな、と。
でも、たまにふわふわと毛が抜けることはあっても、生え変わりのように抜けた毛が毛玉になるような量は抜けた記憶は一度もないのだ。
「ああ、ルリィは生え変わっている訳ではないですよ。日常的な抜け毛とほぼ変わらないと思います」
『え?ど、どういうこと?』
詳しく聞いてみると、私の種族のシルヴィーは寒い地域に住む種族なので、冬になると下毛、アンダーコートがふわふわになり、更に増量するらいしいのだ。
私の毛並みの見た目は白っぽい銀色なのだが、硬質な上毛、オーバーコートが銀色で、下のふわふわな下毛、アンダーコートが白なのだ。
そのオーバーコートは通年生え変わることはないが、アンダーコートで季節を調節していたようなのだ。
『でも、確かに少しは抜け毛はあったけど、そこまで抜けたことなんてあったかな?』
冬に増量するなら夏に抜ける筈。
「ルリィは人化してお風呂に入っているからじゃないですか?髪をとかす時、夏になる前は多めに抜けていませんでしたか?」
あああっ!!た、確かにっ!!
お風呂に入るようになってから、毎日のように髪の毛もしっかり洗っているが、髪の毛を乾かしてとかす時に、今日は抜け毛が多いかな、と思う時が確かにあった気がする。
その時は、髪がどんどん伸びているから多く見えているだけだろう、と思って気にしなかったのだが。
「それにシルヴィーは長毛種の種族なので、最近ルリィが少しずつ成長して毛が長くなって来たから、今年は尚更もっふもふなんでしょうね」
そう言われてなる程!と思った私は、すぐにでも自分の姿を確認したくなって、家へ向かって駆け出した。
まあ、あんまりにも慌てていたのでまた転がったのはお約束というものだろう。
『ふおおぉおおおっ!!ふわっふわ!!もっふもふだぁーーーーっ!!』
鏡の前に駆け込んで見た姿は、私の記憶よりも三割は確実にもふもふしていた。
最近シュッとしてきて、くびれが出て来たお腹も、ふわっふわなアンダーコートで寸胴に逆戻りになっている程だ。
いや、太ったんじゃないからね!もっふもふなだけだからっ!
思わず鏡の前でクルクル周りながら自分のもふもふ具合を確認し、コロンと転がってお腹のふわふわな毛を確認してしまった。
満足するまで鏡で確認してから人化すると、自分のもふもふ度がアップしていたもっふもふな尻尾を堪能したのだった。
冬の間は転がっても弾むのが面白くて、ついコロコロと転がって遊んでいたのは、まあ、仕方ないよね!