もふもふになっちゃった私ののんびり生活 ~番外編

「おおおおっ!ルリィちゃん!とってもキレイ!でも、キレイなのにとっても可愛いよ!うわぁ!想像以上だよ!」
「ほほーう。ふむ。人化した姿よりも美人さんに見えるね。まあ、ちょっとだけドンくさそうだけど」
『ど、ドンくさそうって、どういう見た目なんですかっ!!』

 歳は一つとって十三歳になったが、獣姿の方はほぼ成長していない。だから大きさは今だに中型犬くらいだ。

 今は冬毛の時期だから、いつもよりも更にもっふもふだからちょっとコロコロしているように見えるけど、別に太ってはいないんだからねっ!!

 二人の熱い視線に、じりじりと下がりながらそう思っても、伸ばされた手から逃げ場は無かった。

「ね、ねえ、触っても、いいよね?すっごいふかふかだよね。触ってみたい!」
「そうやって獣姿だと、人の姿でいるよりも尻尾がふっさふさに見えるねぇ。どれ、ちょっとだけ触らしてくれないかい?」
『えっ、ちょっ!私、まだ誰にも触られたことなくて、その!』

「「おおっ!それじゃあ初めてをいただくね!(こうかね!)」」

 ああああ、目が、目が、なんかとっても怖いですーーーーっ!!




「キャンッ!ク、キュウィウゥーーーーーンッ」

 結局、伸ばされた魔の手から逃げようと飛び上がった処をおばあさんに尻尾を掴まれ。ビクンッ!と止まったところをアイリちゃんに撫でまわされたのだった。

「すっごいよ、ルリィちゃん!とってもふわっふわだよ!もう、ずーっともふもふしていたいよ!!」
「ああ、いい毛並みじゃないか。こんだけ長いとさわりがいもあるねぇ」

 二人がご満悦で私の身体を撫でまわしている間、くすぐったいやらなんだかそわそわするやら、お腹を触られたらヒュンッとなって尻尾が入り掛けるやら、とさんざんな目にあったのだった。

 最後はもう、ダメだと激しく鳴いて暴れて解放されたが、これから自分ももふもふする時は、そっと、相手の反応をみながら撫でよう。そう教訓をえたのだった。


 因みにヴィクトルさんが羨ましそうに見ていたが、当然キッと睨んでヴィクトルさんの手は寄せ付けなかったことをここで報告しておきます!




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