離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
「ねぇ、和歌。卓哉(たくや)呼んでもいい? 慶次さんとはまったくタイプが違うけど、一応男だから違った意見が聞けるかも」

「それはぜひお願いしたいな」

 男友達には軽々しく相談できないけれど、唯の彼氏なら信頼できる。彼なら何度か食事も一緒にしたことがあって話しやすい。こういうチャンスはもうないかもしれないので、面倒をかけるとは思ったけれどお願いすることにした。

 近くにいた卓哉くんはすぐにやって来た。唯の隣に座りビールを注文すると、さっそくわたしの話題に移った。

「待って、和歌ちゃんって人妻なの?」

「うん、まあ。一年半前に結婚したんだ。でももう離婚するから」

「え~もう!? いったいなにがあったんだ」

 唯がここまでの経緯を卓哉くんに聞かせると、彼は驚きながらも唯とは違い、落ち着いた様子で話を聞いていた。

「ふ~ん。なるほど。なんか複雑だな」

「そうなの……もう向こうの考えていることがわからなくて」

 おしぼりを丸めたり伸ばしたりしながら、わたしは途方に暮れていた。

「で、体の関係もないのよね?」

「ちょっと唯ってばやめてよ」

「事実でしょ?」

 唯の煽(あお)るような言葉に言い返すように口走る。

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