離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
わたしは首を横に振った。もし慶次さんの行動の理由がわかっていたらこんなに悩んでいないだろうから。
「多分和歌ちゃんのことが好きだからだと思うよ」
「え、待って。わたしのこと好きだったら、とっくに――」
「だからキスしてきたんだと思う。離れていってほしくない、君が好きだから離婚したくない。そう思わない?」
そんなこと考えてもみなかった。慶次さんにはわたしの代わりになる人はたくさんいる。やっぱりにわかには信じがたい。
「えーわたしはそうは思わないな! そんなのありえないじゃん。付き合ってるだけじゃないんだよ。結婚してるんだよ。それなのに手を出さないなんて。自分の利益のために和歌をそばにおいてるのに、女として扱わないなんてひどい」
「だからお前は浅はかなんだよ」
「なによ、むかつくこと言わないで」
唯と卓哉くんのふたりはわたしを置いてヒートアップしていく。なんだかふたりの雲行きが怪しい。
「ごめん、わたしのことで喧嘩しないで」
慌てて止めに入ると、ふたりはけろっとした顔をしていた。
「別に喧嘩なんかしてないわよ。ただの意見交換。ね」
「ああそうだ」
「そうなんだ。それならいいけど」
ふたりはまだあれこれ言い合いをしている。でもお互い言いたいことをはっきり言っている姿を見て、本当のカップルってこういうものなんだろうなと思う。
「多分和歌ちゃんのことが好きだからだと思うよ」
「え、待って。わたしのこと好きだったら、とっくに――」
「だからキスしてきたんだと思う。離れていってほしくない、君が好きだから離婚したくない。そう思わない?」
そんなこと考えてもみなかった。慶次さんにはわたしの代わりになる人はたくさんいる。やっぱりにわかには信じがたい。
「えーわたしはそうは思わないな! そんなのありえないじゃん。付き合ってるだけじゃないんだよ。結婚してるんだよ。それなのに手を出さないなんて。自分の利益のために和歌をそばにおいてるのに、女として扱わないなんてひどい」
「だからお前は浅はかなんだよ」
「なによ、むかつくこと言わないで」
唯と卓哉くんのふたりはわたしを置いてヒートアップしていく。なんだかふたりの雲行きが怪しい。
「ごめん、わたしのことで喧嘩しないで」
慌てて止めに入ると、ふたりはけろっとした顔をしていた。
「別に喧嘩なんかしてないわよ。ただの意見交換。ね」
「ああそうだ」
「そうなんだ。それならいいけど」
ふたりはまだあれこれ言い合いをしている。でもお互い言いたいことをはっきり言っている姿を見て、本当のカップルってこういうものなんだろうなと思う。