離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
そして訪れた週末。わたしはパーティーの始まる二時間前から、会場であるホテルの一室でドレスに着替え、ヘアセットや化粧をしていた。
友人の結婚式にも参列したことのないわたしは、ドレスを着るのも初めてだった。
鏡に映った自分はいつもとは明らかに違う。いつもの地味な自分じゃなくてすごく洗練された大人に見える。
慶次さんはどう思うかな。
彼がプレゼントしてくれたサーモンピンクの膝丈ドレスは、身に着けているだけで気分が上がるほどかわいらしい。ゴールドのラメの入ったパンプスに、一粒ダイアのネックレス。
彼は完璧なコーディネートでわたしを変身させてくれた。
コンコンとノックの音が響く。返事をすると慶次さんが迎えにきてくれた。
「ああ、和歌。とってもかわいい。そのドレスで正解だな」
「よかった。ちゃんと着こなせてるみたいで安心した」
慶次さんにお墨付きをもらったみたいで、わたしは喜んだ。
これまでたくさんのパーティーに出ている彼が「かわいい」と言ってくれたので、合格点には達しているらしい。
「あの、でもこれ、全部もらっちゃっていいんですか?」
「あたり前だろう。和歌はいつもなにもねだらないから、久々のプレゼントで楽しかったよ」