Tear Flowers〜奪われた未来〜
「あの世で添い遂げる伴侶?」
エヴァンが訊ねると、シオンは「自分の息子と同じように若くして亡くなった女性の遺体のことだ。遺体を同じ墓に埋葬することで結婚したとされ、あの世へ死者は旅立てると東洋の一部の地域では信じられている」と話す。
「そんな風習があるんですね」
死者と死者の結婚式など、生きていて聞いたことなどなかった。フィオナの胸がザワリと音を立てる。
「ただ、その遺体は無料で貰えるわけじゃない。亡くなった人物の家族はお金を払って花嫁を手に入れるんだ。その金額は、遺体が綺麗だったり、名家の出身、男性経験がないといった場合は数千万円かかる場合もある」
「数千万!?」
フィオナ以外が大声を上げて驚く。遺体を手に入れるのにそんなにお金が必要など、想像もつかない。
「この事件を聞いた時、真っ先に思ったのが冥婚目的の遺体泥棒だった。冥婚の儀式をしたいのに遺体が手に入らない人間は多い。だから、そういう人物に売り付けている、もしくは自分の息子の冥婚のために遺体を盗んだのではないかと思ってな……」
エヴァンが訊ねると、シオンは「自分の息子と同じように若くして亡くなった女性の遺体のことだ。遺体を同じ墓に埋葬することで結婚したとされ、あの世へ死者は旅立てると東洋の一部の地域では信じられている」と話す。
「そんな風習があるんですね」
死者と死者の結婚式など、生きていて聞いたことなどなかった。フィオナの胸がザワリと音を立てる。
「ただ、その遺体は無料で貰えるわけじゃない。亡くなった人物の家族はお金を払って花嫁を手に入れるんだ。その金額は、遺体が綺麗だったり、名家の出身、男性経験がないといった場合は数千万円かかる場合もある」
「数千万!?」
フィオナ以外が大声を上げて驚く。遺体を手に入れるのにそんなにお金が必要など、想像もつかない。
「この事件を聞いた時、真っ先に思ったのが冥婚目的の遺体泥棒だった。冥婚の儀式をしたいのに遺体が手に入らない人間は多い。だから、そういう人物に売り付けている、もしくは自分の息子の冥婚のために遺体を盗んだのではないかと思ってな……」