Tear Flowers〜奪われた未来〜
「なら、その線で調べてみましょう!」

サルビアが言い、それぞれ能力を使いつつ調べていくことが決まった。シオンとフィオナが遺体を盗まれた法医学研究所や遺体安置所に話を聞きに行き、エヴァンたちは防犯カメラの映像を確認したりする。

「フィオナ、気をつけてね」

部屋を出る前、フィオナにエヴァンは少し心配そうに言った。フィオナは「大丈夫よ」と無表情に言い、ドアを閉める。

人の運命は誰にもわからない。今日何が起こるのか、明日をみんなで笑っていられるのか、誰にも知ることはできない。フィオナたちの力では、未来を知ることはできないのだ。

「すまない、車を車検に出してしまっていてな……」

「なら、バスに乗って行きましょう」

フィオナとシオンはバス停へと向かう。バス停に向かうと、すぐにバスが到着した。それにフィオナとシオンは乗り込む。

バスを運転しているのは、四十代ほどの男性だった。乗客は黒いニット帽を被った男性、小さな子どもを連れた妊婦、買い物袋を持った老人が数人乗っている。
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