Tear Flowers〜奪われた未来〜

「季節のショートケーキを一つ、フルーツタルトを一つ、ガトーショコラを一つ、アップルパイを一つ、プリンを一つ、シュークリームを一つ、チーズケーキを一つお願いします」

「かしこまりました。お時間いただく間、よければこちらのクッキーをお召し上がりください」

店員さんはニコリと笑い、エヴァンとフィオナにアイシングされたおしゃれなクッキーを渡す。二人はお礼を言い、クッキーを口に入れた。

「おいしい……」

一口食べると、くどすぎない優しい甘さが口に広がる。今まで食べた中で一番おいしいクッキーだ。フィオナがおいしいと呟くと、エヴァンが「でしょ！？」と嬉しそうに笑う。

フィオナがクッキーのおいしさに驚いていると、店員さんが箱にケーキを入れて持ってきてくれた。エヴァンが「ありがとうございます！」と笑顔で受け取り、フィオナの手を引いてケーキ屋を出た。

「みんな気に入ってくれるといいなぁ〜」

笑顔を見せるエヴァンを見ていると、フィオナももう一度だけでもいいから笑ってみたいという気持ちが心に生まれていく。