Tear Flowers〜奪われた未来〜
フィオナは自分の口角を上げてみようと力を入れてみる。何年も上げていない口角は固まり、動かすのが辛い。

「フィオナ?」

エヴァンに見つめられ、フィオナの顔は無表情に戻る。大丈夫、と言うエヴァンの言葉にいつも通り「何でもない」と返し、フィオナとエヴァンは特殊捜査チームの部屋へと歩いていった。



特殊捜査チームの部屋には、全員が集まって捜査会議が始まるまでそれぞれ自由に過ごしていた。

「おはようございます!」

エヴァンが元気よく挨拶をしながら部屋に入ると、エヴァンの手にある箱を見てレティシア・エーデルワイスが目を輝かせる。

「それって今おいしいって話題のケーキ屋さんのケーキ?食べてみたかったんだけど、いつも売り切れだったのよね〜。すごく嬉しい!」

「捜査を頑張った後のご褒美だね!食べるのが楽しみだな〜」

レイモンド・アルストロメリアも微笑み、サルビア・ホープが「冷蔵庫に入れておきましょうか」と言いケーキの箱を受け取り、冷蔵庫に入れる。
< 6 / 37 >

この作品をシェア

pagetop