Tear Flowers〜奪われた未来〜

「盗まれているのは、若い女性の遺体ばかりなんだな」

資料を見ていたフリージアが呟き、「どうして若い女性の遺体ばかり狙うのかしら？」とレティシアが体を震わせる。犯人は何故若い女性の遺体だけを盗んでいるのか、犯人の目的がわからない。

「遺体をコレクションするためかしら？臓器売買をするなら生きていなければ意味がないし……」

フィオナがそう言うと、レイモンドが「違法ブローカーならそんなこと、気にしないんじゃないかな」と言う。遺体を盗むなど、動機を予想することもできない。

全員がああだこうだと考えている中、シオンが「これは東洋の人間にしか答えが恐らく見えない」と言う。その言葉に全員の目がシオンに向いた。

「シオンさん、どういうことですか？」

サルビアの問いに対し、シオンは「東洋にはある風習がある」と言い、東洋に伝わる冥婚という風習について教えてくれた。

「冥婚は、未婚のまま亡くなった人物があの世で安らかに暮らせるよう、あの世で添い遂げる伴侶を用意するんだ」