シングルマザー・イン・NYC

ケイが去った後は、静かで落ち着いた大人の時間だった。

食事は旨かったし、会話も弾み、初めてこうして食卓を囲む同士とは思えないほど、俺は楽しい時間を過ごさせてもらった。

けれども、ケイがいなくなって寂しいなという気も、少しした。

自分が特に子ども好きだという自覚はないが、ケイは利発で明るく、短い時間だったが、一緒にいるのがとても楽しかったのだ。

希和の性質を受け継いでいることも関係しているのだろうか。

そういえば、ケイの顔はあまり希和に似ていなかったな。
アレックスにもだ。

祖父や祖母など、親族の誰かに似ているのだろうか。
< 138 / 251 >

この作品をシェア

pagetop