シングルマザー・イン・NYC

慧が小学生になってから、我が家のスケジュールは以前と変わった。

ニューヨークでは、小学生の子供が一人で外を歩くことができないため、誰かが送迎しなくてはいけない。

そんなわけで、私は八時前に慧と一緒に家を出て、彼を小学校に送ってから美容室に出勤する。

お迎えの時間は、月・火・水は二時半。
クラブ活動(加入は自由で、慧はチェスとマインクラフトのクラブに入った)のある木・金は、は五時。

いずれもナニーのマリアが迎えに行き、私の帰宅まで、慧は彼女と一緒に過ごす。

ちなみに、リュックの中は基本的におやつと水筒のみ。

だから、ぬいぐるみを入れる余裕があるのだ。

入学して三日目、リュックにブラちゃんを入れる慧を見た私は

「ぬいぐるみなんて持って行って大丈夫?」

と聞いたが、

「大丈夫。リックとエミリーが持ってきてた」

との返事だった。

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