シングルマザー・イン・NYC
カミーユさんの話
私はいてもたってもいられず、カミーユさんにメッセージを送った。
『近々、少しお時間を頂けませんか?』
返信はすぐにきた。
『いいわよ。早速だけど、今日のお昼はどう? 13時から15時、希和の予約、入っていないでしょう』
サロンのオーナーであるカミーユさんは、なかなかのやり手経営者で、予約状況をしっかり把握しているのだ。
サロン・ローゼンタールが開店当初から順調に成長を続けてこられたのは、彼女の人脈と営業手腕によるところが大きい。
「珍しいわね、希和から誘ってくれるなんて。嬉しいわ」
13時少し前にサロンに私を迎えに来たカミーユさんは、にっこりとほほ笑んだ。
知り合ってから七年以上経つが、いくつになってもその美貌は衰えない。