シングルマザー・イン・NYC
デート in NYC
その夜。
リビングのソファで今日の出来事を話すと、アレックスは
「いい人だね、篠田さん」
と言ってくれた。
「うん」
「でもさ、日本では弁護士ってエリートなんだろ? 特に海外留学までするとなると、相当だって聞いたことがある」
「そうみたいだね」
アレックスは気まずそうに口をつぐんだ。
「心配してるの?」
「うん……ちょっと身分違いな感じはするよな」
……言われてしまった。
実は私も少し引っかかっていた。
私はそんなに美人というわけでなく、スタイルも普通。
エリート弁護士が一目惚れして恋に落ちるには、ちょっと、役不足感がある。
「どうしよう。篠田さん、久しぶりに日本人女性と――しかも美術館と美容室で偶然二回も――会ったから、ふわふわっと恋に落ちた気分になっただけだったりして」
アレックスは口を付けていた瓶ビールを吹き出した。
この国では、小さい瓶ビールをそのまま飲むことが多い。
リビングのソファで今日の出来事を話すと、アレックスは
「いい人だね、篠田さん」
と言ってくれた。
「うん」
「でもさ、日本では弁護士ってエリートなんだろ? 特に海外留学までするとなると、相当だって聞いたことがある」
「そうみたいだね」
アレックスは気まずそうに口をつぐんだ。
「心配してるの?」
「うん……ちょっと身分違いな感じはするよな」
……言われてしまった。
実は私も少し引っかかっていた。
私はそんなに美人というわけでなく、スタイルも普通。
エリート弁護士が一目惚れして恋に落ちるには、ちょっと、役不足感がある。
「どうしよう。篠田さん、久しぶりに日本人女性と――しかも美術館と美容室で偶然二回も――会ったから、ふわふわっと恋に落ちた気分になっただけだったりして」
アレックスは口を付けていた瓶ビールを吹き出した。
この国では、小さい瓶ビールをそのまま飲むことが多い。