シングルマザー・イン・NYC
「一度目のプロポーズは、ここでだったの」

私は美しいツリーを見上げ、慧に教えた。
周りには写真を撮っている観光客が沢山いる。みんな笑顔。

「へえ。嬉しかった?」

「もちろん」

私が答えると、慧はにっこり笑った。
寒さで頬が赤い。

「良かったね、もう一度プロポーズしてもらえて」

「うん」

本当に良かった。

「それにしても、お父さん、なんでアレックスが僕のお父さんって勘違いしてたの?」

「それはね……」
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