シングルマザー・イン・NYC
結婚の報告
翌朝、カーテンの間から差し込む日の光で目を覚ました。
隣を見ると、樹さんはいない。
慧は、もう起きただろうか。
床に落ちていたバスローブを羽織りリビングに行ってみると、慧が眠っていたソファベッドは元通りの形に戻してあり、毛布もきれいに畳んである。
静かだ――そう思った時、ドアベルが鳴った。
「お母さん、時差ボケでしょ。はい、お茶」
慧が、ペットボトルのほうじ茶をテーブルに置いてくれた。
「ありがとう。何時に起きたの?」
「五時。お手紙読んだよ、ありがとう。でもお母さん、ノックしても起きなかった」
「……ごめん」
「いいよ、俺が気付いたから」
「二人でお風呂入って、外で朝ごはん食べて、スーパーで買い物して帰ってきたんだよねー」
私が起きたのは十一時半だった。
「そう。どうだった? 東京の街は」
「きれいだった。スーパーもおもしろかった。おにぎり、すごくたくさんの種類が売ってて。いっぱい買ってもらった」
「どうぞ」
樹さんが差し出したビニール袋から、慧は一つずつ、おにぎりを取り出した。鮭、いくら、ツナマヨ、鶏五目、高菜、シラスと梅、ひじき、たらこ、昆布の佃煮。どれもおいしそうだ。
隣を見ると、樹さんはいない。
慧は、もう起きただろうか。
床に落ちていたバスローブを羽織りリビングに行ってみると、慧が眠っていたソファベッドは元通りの形に戻してあり、毛布もきれいに畳んである。
静かだ――そう思った時、ドアベルが鳴った。
「お母さん、時差ボケでしょ。はい、お茶」
慧が、ペットボトルのほうじ茶をテーブルに置いてくれた。
「ありがとう。何時に起きたの?」
「五時。お手紙読んだよ、ありがとう。でもお母さん、ノックしても起きなかった」
「……ごめん」
「いいよ、俺が気付いたから」
「二人でお風呂入って、外で朝ごはん食べて、スーパーで買い物して帰ってきたんだよねー」
私が起きたのは十一時半だった。
「そう。どうだった? 東京の街は」
「きれいだった。スーパーもおもしろかった。おにぎり、すごくたくさんの種類が売ってて。いっぱい買ってもらった」
「どうぞ」
樹さんが差し出したビニール袋から、慧は一つずつ、おにぎりを取り出した。鮭、いくら、ツナマヨ、鶏五目、高菜、シラスと梅、ひじき、たらこ、昆布の佃煮。どれもおいしそうだ。