焦点を合わせて
…え?



今、何が起きた?




白夜は先程と打って変わってぱっちりと起きていた。





「えっ?今、何…した、の?」




「おはようのちゅー」




「おはようの、ちゅー…?」




「俺が日和にキスしたの」




「…なんで?」




「…日和にキスしたかったから」





「え?」




「俺着替えるから外出ててよ」




そう言って白夜は私を部屋から追い出した。




「あっ、先に行かないで、待ってて!」




白夜の声が聞こえた。




「…」





私は声が出なかった。





おは、おはようの…ちゅー…?





『日和にキスしたかったから』





あの声がずっと繰り返し響いた。
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