焦点を合わせて
そんな幸せは突然壊れてしまう。




「お母さん、変じゃないかな?」




「ええ!バッチリよ!」




お祭り当日、綺麗な浴衣を着せてもらった。





前の生活ではそんなことなかったから嬉しい気持ちが込み上げた。祭りの会場までバスを使って行くことになった。




私は窓際の席でワクワクしながら窓の外を眺めた。




いつもと違う道を通って祭り会場に向かう。




私は覚えていた。




パパの背格好、顔、雰囲気。




少し治安の悪い通りを走っている時、パパがいた。




あの頃と何一つ変わらない、いつも何かを蹴り飛ばしている雰囲気で。




思わず見つめてしまった。
< 36 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop