イケメンと数多の恋心|エアラブ掲載の短編を載せていくだけのものです。なので、1つの物語ではないです|
お昼ごはん。
「人いないね~先輩」
「そだね」
彼氏の言葉を聞き流しながら作ってきたお弁当を広げる。
「あっ聞いてよ先輩!うちの親,彼女が作ってくれるから昼飯要らないって言ったらめっちゃびっくりしててさぁ~」
「っ……そ」
ホント私ってなんでこんな可愛くない言い方しか出来ないんだろ……家族にも私の事話してくれて嬉しいって言えれば良いのに……
「このおにぎりの具って何?」
「梅」
「俺が好きって言ったから?」
「うっさい,それいつの話よ」
本当は覚えてたけど……
「やっぱりそうなんだ!ありがと先輩」
しかもバレてるし。
「ねぇ先輩。次のリレー1位とったら1つだけ頼み聞いてよ」
「いいよ」
私はそう答えたけど,おにぎりを頬張る彼の目を見て,嫌な予感がした。
彼はただの可愛い後輩ではない。
とびきり甘くて腹黒な一面を併せ持つ。
「楽しみにしててね?」
彼は何事もなかったように食事を再開した。