イケメンと数多の恋心|エアラブ掲載の短編を載せていくだけのものです。なので、1つの物語ではないです|
「あっっおーい!そっちもリレー頑張ってね!」
移動中,幼なじみの男子を見つけてつい声をかけた。
「ははっ頑張れって俺敵軍だし!でもまぁアンカーになったからには1位だな!」
「うん。私すぐ出番終わるから見てるわ」
スクールカースト上位の超陽キャなそいつも,笑顔でよってくる。
「ねぇ」
斜め後ろから声がして振り向こうとすると,後ろから誰かに抱き締められた。
「おい。離せ」
私と同じ色のはちまきをしたその人は,私の同級生。
人を好き嫌いで区別しない幼なじみが,唯一目の敵にする存在。
「この子も1位も渡さないから」
突然やって来た彼は,幼なじみを煽る様にそう言うと,見せつけるかのように私をぎゅっとさらに抱き締めてから私を連れて歩き出した。
「絶対勝つから,俺だけ見てて」
そう言う彼を,私がどう思っているかというと……
それはきっと,遠くない未来に,この高鳴る胸が教えてくれる。