イケメンと数多の恋心|エアラブ掲載の短編を載せていくだけのものです。なので、1つの物語ではないです|
花火大会。

私は今日、それなりの覚悟をもってここにいる。

今は一通り花火を打ち上げ終え、次にうつるためのちょっとした時間。

「ねぇ花火だったら何色が好き?」

「緑かな」

「じゃあ次にその色の花火が上がったら、聞いて欲しいことがある」

「いいよ」

でも、と何故かいつもタメ口の彼は、後輩特有の、いや、彼特有の可愛らしい笑みで続ける。

「先に僕に話をさせて?」

「いいよ?」

良く分からなかったけど、特に断る必要もないので承諾する。

「先輩。好き」

驚いている私の目には、彼のきれいな顔がアップで写し出されていた。

彼の唇が、他の誰も触れたことのない場所へと触れる。

さらに驚きで目を丸くする私の目には、彼の後ろで緑色の花火が上がったのが見えた。

後ろを見てもない彼は、

「それで? 先輩の話って何?」

そう言って心底嬉しそうで、意地悪ないつもの可愛らしい顔で笑った。
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