イケメンと数多の恋心|エアラブ掲載の短編を載せていくだけのものです。なので、1つの物語ではないです|
「お兄ちゃん」
私は靴を脱ぎながら,その背中に声をかける。
両親の不在も同時に確認。
「お前まだお兄ちゃんとか言ってんの? まじでバカ」
分かっててやってるんだよ。
その歪む顔が見たくて,歪んだ私がときめくから。
でも
「こんなことされても?」
すっと降ってくるキス。
煽るのはこうして触れてもらえるから。
「俺が兄妹なんてごめんだって思ってること忘れんな」
そんなのは私だってごめんだ。
言葉に沢山の意味を含ませた彼は私の頭にポンと手を置く。
私はその手を自分の頬にあてると,なんて返すのが効果的かと打算しながら斜め下へと視線を流した。
そして良いこと思い付いたと小さく口角を上げ,私は彼の耳元へ近づく。
「大好きだよ,ーー」
耳に触れるか触れないかのすれすれで,名前を囁く。
「っお前,今日は覚悟しろよ。2人も今日は遅い」
連れていかれたのは普段断固拒否される彼の部屋。
その意味は…分かるよね?
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