イケメンと数多の恋心|エアラブ掲載の短編を載せていくだけのものです。なので、1つの物語ではないです|
流されやすい私は、例の如く花火大会という雰囲気にながされて、勢いあまって先輩を花火大会デートに誘ってしまった。
奇跡的にOKをもらえたというのに、身長の低い私はものの10分で人の波にながされて、先輩とはぐれてしまった。
「折角おしゃれまでしたのに……」
浴衣は汚れ、髪の毛もボロボロ。
全然可愛くないじゃん。
涙が溢れる。
「大丈夫!? どうしたの? どっかうった?」
「先っ輩……?」
わざわざ息きらしてまで探しに来てくれるような人じゃないのに……
「だって、先輩があたしとのデートを受けてくれるなんて奇跡、もう二度と起きないのに……」
いつもチャラチャラしてるくせに、優しさなんて見せるから……
めんどくさいと思われたかな?
だけど、
「俺が気分でこの誘いを受けたと思ってる? 俺は君が好きだから、君だからこそ受けたんだよ」
先輩はそう言って、うずくまる私をそっと後ろから抱き締めた。
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