イケメンと数多の恋心|エアラブ掲載の短編を載せていくだけのものです。なので、1つの物語ではないです|
いつも通りまったり過ごす家の中
「はい,プレゼント」
そう言って彼氏の蓮が渡してきた物をみて驚いた。
「何で…」
「だってクリスマスデートの時,呉羽欲しいなって思ったでしょ?」
見逃すわけがない。
そう言う蓮に泣きそうになった。
クリスマス仕様になったクマのぬいぐるみ。
確かにすれ違いざま,私はそれを欲しいと思った。
私は蓮より年上だし,恥ずかしくて言えなかったのだ。
「でも…」
悪いよ。
「んっ」
開いた口は塞がれる。
「お返しってことで」
蓮は妖しく笑った。
だから,すごく恥ずかしかったけど私からもキスを返す。
ありがとうって。
蓮の気持ちが嬉しかったから。
蓮は頬を赤く染めて,片手でそれを隠した。
可笑しくて笑う。
そのぬいぐるみを抱えて眠る夜は暖かくて心もポカポカした。
そんな大事な大事なぬいぐるみは,やっぱり大切な,小さな姉弟にプレゼントされる。
それはまだ,2人に内緒のお話。
    『年上なのに,翻弄されて』より,
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