イケメンと数多の恋心|エアラブ掲載の短編を載せていくだけのものです。なので、1つの物語ではないです|
私は今、後輩の男の子と花火を見に来ている。
この犬っぽい彼は、何故か憎めないところがあって、今日も誘われるままこうして来てしまった。
今、彼は屋台でおおはしゃぎしている。
「ねぇ今日はなんで誘ってくれたの?」
特に話すこともないから訊いてみたのに、
「? 好きだからですよ?」
彼はチョコバナナ選びに夢中なままそう言った。
え、今さらっとすごいこと言われた?
屋台のおじさんも目を丸くしている。
どう反応するのが正解か分からず、ただ黙する。
「? 先輩? 急に黙ってどうしたんですか? あ……」
彼はようやく自分のした発言に気付いたようだった。
お互い顔を赤くしてうつむく。
「はははっいやぁ~ビックリしたが良いものを見せて貰った。嬢ちゃん、好きなの1つやるよ」
「はい……」
素直に貰ってないとやってられない。
私は今日、浴衣まで着てどうしてこの誘いに乗ったのだろうと、打ち上がる花火を見て思った。
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