バースデイ・プレゼント 『幼なじみはトップアイドル』おまけSS
「乗って」
 璃音はレンタカーも事前に予約していた。

「すごい。準備万全。頼りになるじゃん。璃音にしては」
「なんか、バカにしてない? 今の言い方。のび太じゃねーんだし」
 わたしが子ども扱いすると、彼はすぐ拗ねる。

 でも、仕方ないよ。
 生まれたときからずっと、わたしにとっての璃音は、弟的存在。
 恋人歴のほうがぜんぜん短いんだから。

 でも……
 運転席に滑り込み、サングラスをして、エンジンをかける璃音はまじでカッコいい。
 その真剣な横顔を、ついチラ見してしまう。
 こういう時の璃音は、幼なじみの弟分ではなく、完璧に日本中の女子を虜にしているアイドル。

 もう、惚れ惚れしてしまう。
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