君の隣にいたかった。


……顔、まっか……。


違うとはわかっていても、勘違いしちゃうよ……。



叶君の思わせぶりな反応に、私の心臓はドクドクと心地よい音を立て続けた。












。・:+°。・:+°。・:+°。・:+°。・:+°。・:+°













「わぁっ……! すごいっ、いっぱい桜があります……!」








みんなを誘い、お花見にやってきた私は、早速テンション上げまくり。


そんな私を見て、みんなは困ったように笑っている。






「花見でこんなはしゃぐ奴、初めて見たわ」


「こんなんで喜ぶなんて、凛華は純粋なんだねぇ〜」






流星さんとユンちゃんの言葉は聞こえず、私は桜に目を奪われていた。


すごい、すごいっ……。






「せっかくだし、凛華。写真撮ってあげるよ」


「え! いいんですか? では、お願いします。……あ、叶君も!」






さっきから、桜には目もくれず私を見つめていた叶君を呼んで、手招きする。


……ど、どうせなら、叶君とツーショット撮りたいなぁー、なんて。

でも叶君、写真とか嫌いだろうな……あはは



嫌そうな顔をする叶君がすぐに想像ついて、思わず苦笑いがこぼれる。






そう思ったけど、叶君は素直に私の隣に来た。


……え。






「ほら、撮るんだろ。早くしろよ……苦手なんだよ、こういうの」






そんな文句を言いながらも、どうして来てくれたのか……これも、叶君の優しさだ。


嬉しくて フニャ……っと頬が緩んだ。
< 18 / 44 >

この作品をシェア

pagetop