君の隣にいたかった。
ℓσνє2章
願いは叶う
【凛華side】
私が死んでから、約3年が経った。
私は空から毎日叶君を見守っている。
叶君は毎日私のお墓参りに来てくれて、由希くんや流星さん、天空さんもちょくちょくお墓参りに来てくれる。
その度、私は嬉しくって笑顔になれる。
叶君達には、私の姿は見えないけど……ずっと見守っているからね。
『凛華』
優しい声に振り向けば、そこにはお母さんがいた。
後ろには優しい顔をしたお父さんも。
私は思いっきり微笑んで、2人に抱き着く。
死んでしまった後、私は両親と再会した。
その時は嬉しくてはしゃいだけど、今は……。
『もう、成仏しちゃう……?』
『そうだな。凛華にも会えたし、やりたいことももう無い』
ずっとこの天国にいられるわけではない。
やり残したことがなければ成仏して、次の命とならなければいけない。
そう。転生するのだ。
『そっかぁ……でも私は、まだ行けないな』
私は叶君を、迎えに行ってあげるって決めたから。
叶君にまた会えるまで、成仏なんてできそうにない。
2人は笑顔で頷いたあと、サァーッ……と灰のように消えていった。
やっぱり寂しいなぁ……あはは。
でも、叶君が……"君の隣に居たかったっ……"て言ってくれたから、私はどれだけでも待てるよ。