君の隣にいたかった。

ちょっぴり私も驚きはしたけど、笑顔に戻る。



私が死んで、この世界が大きく変わることは無い。


私が死んだことを、なんとも思わない人間の方が何倍も多い。


だけど、私が死んだことを悲しんで、泣いてくれる人だっている。



そんな優しい人を、私は絶対傷つけたくない。


……大好きだから。










『叶君、迎えに来たよ』


『!……凛華!』


『久しぶり! ずっと待ってた!』





勢いよく叶君に抱き着いて、ギュッと離さない。


叶君に……触れる。


当たり前のことが、こんなにも嬉しい。





『大好きっ……』


『俺も』






叶君は私の顎を掴み、チュッと触れるだけのキスをしてくれた。


叶君が好き。

その気持ちがあるだけで、私はなんだってできるような気がする。





『愛してるよ』





あぁ……幸せだ。


彼からの告白に、嬉しすぎて、幸せすぎて……涙が溢れた。





『これからは、ずっと一緒だ』


『……何言ってるの?』





今度は私から、背伸びをして叶君にキスをする。






『これから"も"でしょっ……』






私はずっと、叶君のそばにいたもんっ。


自分のしたことが恥ずかしくて、顔が真っ赤になる。
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