期間限定マリアージュ～四年越しの旦那様はエリート社長、誓いのキスが子作りの合図～

残された俺の気は重かった。
麻莉は俺をジッと見つめ、話を始めるのを待って居た。
「君の母親の瑠莉さんと峻斗の兄・明斗さんは交際をしていた。でも、峻斗達の父親は二人の交際を猛反対していた」

「・・・」
「何れ…俺が社長を務めている『帝商フーズ』を明斗さんに継がせたいと考えていたからだ。でも、明斗さんは教師になった。
教師を職業にした時点で明斗さんの中で『帝商フーズ』を継ぐ意思はなかったと思う」

「でも・・・『帝商フーズ』は高崎さんの説明によれば…共同経営だと訊きました」

「まぁな…だけど…俺の父は社長になれなかった。それを凄く不満に思っていた。でも、自分の代で社長になれなかったが…俺には社長になって貰いたい思いがあったようだ」