期間限定マリアージュ~四年越しの旦那様はエリート社長、誓いのキスが子作りの合図~
「俺の大声で赤ちゃん、びっくりしていないだろうか…」
俺は車を運転しながら、助手席の麻莉に話し掛けた。

「本当にいいんですか?親戚でしょ?」

「いいんだよ…由美子さん達も共犯者だと思う」

「えっ!?」

「由美子さんの夫・岸田常務の実家は自動車の整備会社を経営している…明斗さんの車は事故直前…岸田常務の実家で整備して貰ったんだ…」

「・・・」

「・・・きっとあのコーヒーにだって…赤ちゃんを流産させる薬が入っていたかもしれない」

「・・・」

「俺も君も親戚には恵まれないな…」

「でも・・・高崎さんは…」

「あ…峻斗達を忘れていたな…アイツらだけは俺達の味方だ…そう言えば…君は父親のコト…中東の国の留学生だと言っていたな…何か他に手掛かりはないのか?」

「・・・アミールだと言ってました…私最近になって…アミールは名前だと思っていたんですが…アラビア語で王子を意味する言葉だって知りました…」

「えっ!?」

「・・・まさか…私の母がアラビアの王子様と…」

「そっか…調べてみる必要が有るな…」

「えっ?」

「君だって本当に父が誰か知りたいだろ?」

「それはまぁ―・・・」
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