期間限定マリアージュ～四年越しの旦那様はエリート社長、誓いのキスが子作りの合図～

イヴァンさん達は部屋を出て行った。
「大丈夫ですか？槇村先生」
私はカラダを起こして彼を気遣った。
「くそっ・・・何だ!?アイツ…全然医者に向いてないぞ…全く」

槇村先生は殴られた頬を抑え、唇を嚙み締める。

「希望を持ってくれと言いたいけど…スマホはないし…病院のIDカードだけじゃ・・・何も出来ない」

「・・・」

「『ラグーンマーメイド号』か…時々…横浜港に停泊する豪華客船だな…世界一周が売りで有名だ・・・」

「そうなんだ…」

「・・・今はクリスマスの時期だし…シンガポールのクリスマスもいいなぁー…」

隣の部屋には移動が出来たので、冷蔵庫に入っていたミネラルウォーターを持って来てくれた。

「どうぞ」

「ありがとう御座います」