期間限定マリアージュ~四年越しの旦那様はエリート社長、誓いのキスが子作りの合図~
五ヵ月間…

『東亜医科大付属病院』のNICUでお世話になり、今日退院の日を迎える。

小さく生まれてしまった亜莉也だけど。
スクスクと育った。

「亜莉也ちゃん…元気でね…」
亜莉也の担当医となった遥先生は涙ぐんで別れを惜しむ。

「・・・神戸家に行けば…また会えるぞ…遥」

「でも・・・」

隣に立つ槇村先生は呆れていた。

「じゃお世話になりました。槇村先生、遥先生…」

「こちらこそ…色々と楽しかったよ…亜莉也ちゃんのコトは一生忘れないと思う…だってお姫様のお姫様だから…」

「そうですか…じゃこれで…」

私と浩明さんは二人に別れを告げて、東亜のエントランスを出た。

―――私は『帝商フーズ』の最終面接に足を運んだ時も五月だった・・・

「どうした?麻莉」

「別に…」

期間限定だったはずの結婚生活。

でも、今は限定ではなく永遠に続いていく。

私達の出逢いは必然。

我が娘・亜莉也を抱きながらそう思った・・・
そしてまだ見ぬ父に会いに行こうと思う。

            (完)


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