期間限定マリアージュ~四年越しの旦那様はエリート社長、誓いのキスが子作りの合図~
フロアは大理石。
全面硝子張りの社長室の広さに目を瞠った。
社長室の一角にはキッチンがあり、驚いた。
食品会社だから、社長室でも調理をするのだろう。

「佐久間さん、お待ちしてました…」


社長は応接ソファの腰を下ろし、私を待って居た。

私の姿を見るなり、腰を上げて頭を下げる。

一体なんだろう…この違和感は・・・

「佐久間さんは何を飲む?」

「え、あ…いえ…お任せします…」

「じゃコーヒーで…弘瀬頼む」

「承知しました…」

「佐久間さん、お座り下さい」

「はい…」
ハッキリとした返事で応える。

私はローヒールの踵を鳴らして、神戸社長の前のソファ椅子に姿勢を正して腰を下ろした。

「…佐久間麻莉さん…」

「あ、はい・・・佐久間麻莉です・・・」

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