セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「へ、変なこと言わないで! 私は別に……」
颯真の言うことは図星だった、彼に他の女性が言い寄る場面を想像して嫉妬したのだ。
有能な外科医である颯真は同じ医師や看護師、そしてその他のスタッフや患者などいろんな人と関わり興味を持たれるに違いない。そう思えば花那はソワソワ落ち着かない気持ちになる。
しかしそんな花那の照れ隠しな発言に颯真は……
「少しも妬いてくれないのか? 俺は君の夫なのに?」
あからさまにガッカリとした様子を見せられ、慌てて花那は「そうではない」とさっきの言葉を撤回するしかなくなる。
こういう時に颯真は自分の事は夫と呼び、花那の事を妻と呼んで二人が特別な関係であると彼女に言い聞かせてくる。
そんな颯真を狡いと思いながら、それでも嬉しいと感じてしまう自分に花那は困っていた。
「そ、そりゃあ少しは嫌かなって思いはするけど……。でも、颯真さんだって私にヤキモチなんて妬かないでしょう?」
彼は自分の周りに他の男性がいても何とも感じなそうだ、そう思った花那の発言だったが颯真はその言葉を聞くと少し悩んだ表情を見せて……
「言われてみれば、俺は今まで嫉妬と言う気持ちを感じた事がないかもしれない」
と、彼は正直な気持ちを花那に話してきた。