セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「それじゃあ、私との結婚はいったい……?」
今の花那の疑問はもっともだ、愛されたいとも愛したいとも思った事の無い颯真がなぜ自分と結婚なんてしたのか。
お互いの寝室が別で彼が全く花那に触れようとしないのも、もしかしたら花那の記憶障害以外の理由があるのではないかと考えてしまう。
「それは……今の君に話す事じゃないと思うから」
――それはつまり、以前の花那との話だから今の自分には言いたくないということなの? ここまで話してくれたのに、いったいどうして?
恋愛感情が無ければ結婚する大きな理由が無くなる。では以前の花那と颯真の結婚は何だったのか?
ふと花那の頭に疑問に思っていたままのある事が浮かんできた。
――父の残した多額の借金を返してくれていたのは颯真さんだった。出会ってすぐに結婚したという私達の話も引っかかる。もし恋愛感情の無い颯真さんが結婚しなくてはならないような理由があったのだとすれば……?
この結婚生活に感じていた違和感が、花那の頭の中でパズルのピースを埋めるように綺麗に繋がっていくようだった。
ドラマや漫画、小説の世界だけの話だと思っていた。そんな事が現実にあるとは思えなくて。
――まさか、私達は本当は契約結婚だとでも?