セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「悪いけれど貴方たちの相手をする気分じゃないの、ナンパなら他をあたってくれる?」
さっきの颯真とのやり取りで少し気分が落ち込んでいるのもあり、他の男性との会話も楽しいとは感じない。出来れば早くどこかに行って欲しい、花那はそう思うのに男たちの反応は違って……
「そんなつれないこと言わないでよ、お姉さん。せっかくだからお友達になろうよ、ね?」
そう言ってスマホを取り出し番号を聞いてくる。普通は既婚者だと言ったら諦めそうなものなのに、運が悪く随分しつこい男たちだった。
困った花那が颯真の入っていったコンビニに行こうとすれば、今度は男たちから行く手を塞がれる。このままだと危ないかもしれない、そう思い花那が大声を出そうか迷っていると……
「俺の妻に何をしている?」
「……颯真さん」
花那の置かれた状況に気付いて走ってきたのか、颯真の息は乱れている。いつも冷静な表情の颯真が、今は怒りをあらわにして花那の傍にいた男の手首を掴んでいた。
「……本当に結婚してたんだ、つまんねえの」
どうやら男は花那が既婚者だと信じていなかったようだ。颯真から掴まれた手を振り回して放そうとするが、颯真がそれを許さない。
「つまらないのは君たちが妻にしている行為だろう? これ以上しつこくするつもりなら俺も容赦しない」