セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】


 だから花那(かな)を攻撃した、それが正しい事のように話す看護師に颯真(そうま)は頭がクラクラする。このままでは花那がとんでもない誤解をしてしまう可能性がある。
 颯真は女性をキッと睨みつけてそのスマホを奪い、花那のアドレスを消してメッセージをすべて確認する。あまりの量の多さに唖然となった。

「君はなんてことを……」

 こんな量の攻撃的なメッセージを花那はどんな気持ちで受け取ったのか、想像するだけで颯真の胸はギリギリと痛んだ。気付けなかった己の不甲斐なさにも腹が立つ。

「いつから、こんな事を……」

「ええ~? 私のスマホからはこれだけですよ? ああ、一度だけ颯真さんのスマホからも送ってあげましたけど」

 それの何が悪いのか、そう言うように無邪気そうに笑う看護師に颯真はゾッとする。普通じゃない、そんな彼女の本性に今まで全く気付かなかったなんて。
 しかも自分のスマホからも送られていた? その言葉に愕然となる、そんな事があればいくら花那だって颯真に疑いの目を向けるだろう。
 ……もしかしたら、すでに花那は家にいない可能性もあるのではないか?

 そう思ったら気が気ではなく、颯真は目の前にいた看護師を払いのけ花那のスマホに電話を掛ける。だが、彼のスマホからは機械的なアナウンスが流れてくるだけだった。

 
< 138 / 160 >

この作品をシェア

pagetop