セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
花那は迷っていた。大量のメッセージが恐ろしくてスマホの電源は切った、それでもまた付ければ同じことが起こる可能性もある。そう思うとこのままにしておくわけにもいかない、しばらく考えてその場から立ち上がる。
「とりあえずショップに行って電話番号を変えなくては」
身分証の入ったバッグ、スマホを持つと軽くメイクを済ませて玄関から出る。花那のスマホの番号はすでに知られているはず、どれだけブロックしても同じようにアドレスを変更してまた送ってくるだろう。
それならこのスマホは解約して新しく契約するべきだと思い花那は行動に移すことにしたのだ。
大通りに出てタクシーを拾うと、駅の傍にある携帯ショップまで頼みもう一度スマホを手に取った。もしかしたら颯真からも連絡が来ている感もしれない、それでもまた攻撃的なメッセージを見るのは怖くて。そのままジッと花那は駅に着くのを待っていた。
「お客さん、ここでよかったんですよね」
「はい、ありがとうございます」
タクシーのドライバーにお札を渡し花那は車から降りる。そのまま目の前の携帯ショップに入店し番号札を取ると、やってきたスタッフに機種変更をしたいと伝えた。
スマホを確認させて欲しいと言われ、電源を入れるとすぐにそれは震えだす。
「あの、お電話のようですが……」
「え、ああ。はい……」
手にしたスマホのディスプレイに映る名前は颯真なのに、本当に彼からの電話なのかと不安になる。それでもこのまま放っておくわけにもいかず、花那はスマホのボタンをタップした。