セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
何だかもごもごと言い辛そうな雰囲気に、それ以上聞かないでおく方が良いかと思い話題を変えることにした。こういう時自分で上手く話しを切り替えられない颯真さんの不器用さが少し可愛くもあるのだけれど。
「そう言えばあの改装中だった喫茶店が、今度リニューアルオープンするんですって。確か今週末だったかしら?」
二人の散歩中に見つけた可愛らしい和風喫茶、二人とも興味津々だったが残念なことに改装工事中だったのよね。オープンしたら絶対に行こうって話したのをちゃんと覚えてる。
颯真さんはどうかしら? そう思いながら彼を見つめていると……
「そうか、でもオープンして間もなくは人も多いだろう。平日の人が少ない時間に行くのが良いだろうか、休みを確認してくる」
そう言って自室へとスケジュールの確認へ行く颯真さん、二人の時間は静かにゆっくり過ごしたいという気づかいが嬉しい。
私が賑やかな場所をあまり得意としない事をちゃんと分かってくれている。
「ご機嫌だな、花那。君が嬉しそうだと俺も……」
「え? 今、何か言った?」
そして彼からもらった花の水を変えながら鼻歌を口遊む、そんな様子を颯真さんがどんな目で見ているのかなんて知りもしないまま。
「……いや、何でもない」