セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】


「何か言いたいことがあるのなら言えばいいのに」

 そう聞いてみてもやっぱり何だか言いにくそうにする颯真(そうま)さん、もしかして良くない隠し事とかしてるの? そう言えば夫が妻にプレゼントを買ってくるときには後ろめたい気持ちがあるとか、誰かとの会話で聞いたような……?
 まさか颯真さんに限って浮気とか? いいえ、そんな風に疑ってはいけないわ。変な事を考えてしまう自分の頭の中を空っぽにしてしまいたい。

「そうだ! いつもお花を貰っているお礼がしたいわ、颯真さん何か欲しい物はある?」

 ネガティブな感情はなるべく彼には気付かれたくない、明るい声でそう聞けば颯真さんは顎に手をあてて考えるような仕草をする。それが何となく可愛くって、口元が緩んでしまう。
 いつもクールな彼のそういう表情や仕草が、私にはとても魅力的に映る。そんなこときっと彼は全然気付いていないでしょうけれど。

「何でもいいのか? もの凄く高価なものを欲しがるかもしれないのに」

「ふふ、私にそんなにお金が無い事なんて颯真さんだって知ってるでしょう? 貴方はそんな意地悪はしないわ」

 私を試すような颯真さんの言い方で、余計に楽しくなってしまう。そんなことが出来る人なら、私だって欲しいものがあるかなんて聞かない。


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