セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「そうだな、俺が花那に強請るしたら……」
少し考えた様子で、チラリと私を見てまた視線を逸らす颯真さん。いったい何を思い浮かべた他のか、少し頬が赤いような……?
まさか颯真さんに限って変な事を考えてるとは思えないし、いったいどんな物を欲しがるのかと私の方がドキドキする。
「強請るとしたら……?」
「俺にもっと花那を喜ばせる権利が欲しい、俺だけが君にとって特別になるくらいの」
え? 颯真さんの言葉の意味が上手く理解出来なくて、私は首を傾げてしまう。私を喜ばせる権利? どうして颯真さんがそんなものを欲しがるの?
「この花だってそうだ。俺がもっと君に似合う花を選びたい、花那の名に一番似合う花を」
「颯真さん……?」
彼らしくない言葉に、私の方がドギマギしてしまう。特別な意味にも聞こえてしまうそれを颯真さんはどんなつもりで言ってるのかが分からない。
でも、まるで永遠を約束してくれるようなその言葉が嬉しくて……
「約束ですよ? 颯真さんが必ず私に一番似合う花を見つけてくださいね」
「ああ、約束する」
私たちの間には、多分まだいろんな問題があるのだと思う。ときどき黙り込む颯真さんを見てればなんとなくわかる。だけど。
……今はこの言葉だけ、それだけでもう十分だわ。
2022/02/10 花吹