セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「ここに来たいと君は言うけれど、いつも無表情で黙っていて。だけどそんな君を見て、俺もそれで良いんだ。これが自分たちの夫婦の形なんだってずっと思い込んでいた」
「……お互いに寂しいとは思わなかったの?」
颯真の言葉に花那は少しだけ引っかかりを感じる。お互いの夫婦の形と彼は言ったが、それを本当に花那は望んでいたのだろうか?
もしかしたら颯真は本当に知れでも良かったのかもしれない、しかし花那がそうであるかというと……
「寂しいと思う理由が無かった。あの頃の花那は俺との約束をしっかり守って妻としての役目を果たしてくれたから。それだけで良いんだって……」
「私は、きっと過去の自分は寂しかったと思う。颯真さんは知らないかもしれないけれど、私って本当は凄く寂しがり屋なんだもの」
過去の花那はきっと自分の感情や気持ちを全部颯真に見せようとしなかったのだろう。
昔からの性格がそう簡単に変えられるとは思えない、彼女はその理由を知らなければいかないと考えていた。
「デザートでございます」
テーブルに置かれたデザートはガラスの器に綺麗に盛り付けてあり、その美しさで花那を喜ばせた。
彼女がデザートを食べ終わるのを待って、颯真は小さな白い袋をテーブルに置いた。
「花那、誕生日おめでとう」