セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】


 ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……
 
 近くから聞こえてくるのは、規則正しい機械音。あの時に必死で花那(かな)を呼んでいた声はもう聞こえてこない。

「ここは、どこ……?」

 ゆっくりと瞳を開けた花那は見覚えのない天井を眺めてそう呟いた。身体を動かそうとすると強い痛みが身体を襲い、花那はすぐに身体の力を抜いて楽にした。
 腕には点滴の針が刺されており、多分ここは病院なのだと理解することが出来た。

——でも、私はいったいどうしてこんなところに?

 ナースコールを呼ぼうにも腕が痛くて届かない。しばらくそのままで天井を見上げていると……

「ねえ、起きたの? お姉さん、やっと起きたの?」

「……え?」

 ベッドの柵から顔を出したのは、花那が見たこともない少年だった。ふわふわの色素の薄い髪を揺らして驚いた顔をしている。
 戸惑う花那だが、少年はサッと立ち上がり部屋から出て行ってしまった。するとすぐにパタパタと複数の足音が聞こえて……

深澤(ふかさわ)さん、深澤さん! やっと目を覚ましたのね、すぐに先生に報告とご家族に連絡してちょうだい」

 花那のベッドに年配の看護師が来たかと思うと、彼女はすぐに別のナースに指示を出す。
 看護師は花那の様子を見ながら血圧などをチェックする、次にやってきた医師から診察を受けて彼女は何かがおかしい事に気付く。

——そもそも、私はどうしてこんな場所にいるの?


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