セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「……私が、颯真さんの妻」
どっちの自分のことなの? とはさすがに聞けるわけもなく、花那は困ったような笑みを浮かべてしまった。その花那の反応に颯真も複雑な気持ちになる。
――もしかして、今の花那も俺との離婚を考えていたりするのかもしれない。花那は花那だ、どこかで思っていることは同じで、やはり俺の事を夫としては見れないのだろうか?
特別なことはしていなかったが、それなりに落ち着いた夫婦生活を送っていたつもりだった。それなのに颯真は花那から五年間の契約期間が終わると同時に離婚を宣言された。
無表情で頷いたが、あの時ショックを受けなかったわけじゃない。その後、事故にあった花那の姿を見た時だってどれだけ……
「言葉不足な所は直していおくつもりだ、きちんと伝える努力をすると決めたから。俺は花那の事を……」
「待って! それ以上言わないで!」
今どれだけ真剣に花那と向き合いたいかを颯真は伝えようとするが、その言葉は花那によって止められてしまった。
好きだとか愛してるというつもりじゃなかった、その言葉の意味と自分の感情が同じだという自信はなかったから。それでも今の気持ちだけでも知ってほしかった、それなのに……
「花那……?」