セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
戸惑う颯真を見て、花那はすぐに自分が感情的になってしまったことに気付く。慌てた彼女はすぐに颯真に申し訳なさそうに頭を下げた。
「ごめんなさい! 私そんなつもりじゃなかったのに大きな声を出しちゃって……」
颯真は真っ直ぐに花那を見て色んな事を考えてくれているのに、過去の自分だ現在だと捻くれて考えてしまうのを止められない。
もし颯真に愛されているのが以前の花那だったら、今の自分はいったい何なのか?
もし颯真が今の花那を見てくれたら、自分は彼のその想いに応えてもいいのだろうか?
もし……颯真と花那の思いが通じても、記憶が戻ったその時は自分たちはどうなるのか?
色んな不安を抱えたまま、少しずつ花那は動けなくなり始めている。颯真との距離が近づき心が通うようになればなるほど、彼女は行き場のない想いを持て余すことになる。
「……花那。君が俺に話せない事があるように、俺も君に隠し事をしている」
「颯真さんも、隠し事を……?」
心当たりはある、颯真は花那の両親の形見も持っていたが黙っていた。
大分近付いたと思っていたが、やはりまだお互いの距離は完全に縮まってはいないらしい。その事に少しだけ落ち込んだ様子を見せる花那に対して颯真は……