ニイナと魔法のねこ

魔法のねこはまるで恐ろしいものでも見たかのようにぶるる、と身体を震わせました。だけれど魔法のねこはニイナが『幸せ』を知らないことに驚きながらも、言葉を選びながらこう説明しました。

『幸せっていうのは暖かくて、優しくて、柔らかいもののことだよ。例えばボクにとっての幸せは、寒い日に暖炉の前で毛布に包まりながらココアを飲むことだ』

素晴らしい説明ができた、と満足そうな顔で魔法のねこはニイナを見つめました。

一方ニイナは泣くことを止めたものの、よくわからない、という顔をしています。
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