ニイナと魔法のねこ
魔法のねこはその様子を見てふと気がつきました。この子は『幸せ』という言葉だけでなく『幸せ』という感情を知らないのだ、と。でも魔法のねこはそんなときはどうしたらよいのかを知っています。
『それならいい考えがあるよ。ボクと一緒に幸せを探す旅に出よう。きっとボクが君に幸せを見つけてあげるよ。というのも、これはボクの仕事にもなるし良いことづくめだと思うんだ。…魔法のねこの仕事は知っているよね?』
ニイナはその言葉に頷きました。魔法のねこの仕事についてはよく知っています。それはあまりにも有名で、いつも一人ぼっちのニイナの耳にも入ってきていたからです。