【短編】コンビニ


「君、ここの生徒なんだね」
「あの!その‘君’って呼び方やめません?」
「え、だって名前…」
「宮村廉っていいます」
「廉…くん…」


みやむら れん。
私の好きな人の名前。

口に出してみると余計に緊張して
鼓動が早く脈打つのがわかる。


「あの、お名前は?」
「あ!すずです!大原すず」
「他の人はなんて呼んでるんですか?」
「すず、かな」
「じゃあ、すずちゃん」
「え」



「だって他に呼んでる人いないんですよね。
僕だけの呼び名だ」




くしゃって笑う廉くんは
アイドルにも負けないぐらい
キラキラスマイルで。
かわいくて。




好きだなあって想いはもう止められなくて。

忘れなきゃって蓋をした気持ちは
いとも簡単に出てきてしまう。



つられて私もにっこり微笑むと
廉くんはすこしだけ驚いた顔をしていた。


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